B2Bモール構築プロジェクト

某フランチャイズ本部は、備品の受発注業務をFAXを用いて行っておりました。
WEB上にB2Bモールを構築したことにより、次の効果を実現しました。

  • 業務負荷軽減によるコスト削減
  • 入力ミスなどのヒューマンエラーの削減
  • 買いやすさが向上したことによる売上UP

(開発期間:約4か月、パッケージ:EC-CUBE Ver2.12.2)

クライアント

某小売フランチャイズチェーン運営会社様
(加盟店数:約1000店)

プロジェクト概要

背景

フランチャイズ加盟店は、本部から商材を仕入れて小売販売しており、月締めで精算しておりました。
また、商材の他に、備品※を本部から購入しておりました。
※ラッピング材料、化粧箱、ステッカー、ロゴ入り文房具、ロゴ入り帳票印刷台紙など数百種類

課題

メインの商材の受発注は、システム化しておりましたが、備品はFAXで対応しておりました。
備品は、本部が複数の別会社から仕入れており、パンフレットを作成して、各加盟店に配布しておりました。
各加盟店は、希望の備品と数を本部にFAXで注文し、メインの商材と合わせて月締めで精算しておりました。
このため、本部スタッフは、次の仕事が発生し、業務負荷が高くなっておりました。

  • パンフレットの配布
  • 注文の受付
  • 備品業者への発注と配送依頼
  • 基幹システムへの登録と精算
  • 返品やキャンセルなどのトラブル対応
原因

メイン商材と異なり、備品の商品情報(商品名、商品説明、価格、在庫数)は、社外の備品業者が管理しており、
本部の基幹システムで管理することが困難でした。

対策

「複数の備品業者」と「複数の加盟小売店」がB2B取引を行うWEBプラットフォームを構築しました。(B2Bモール)
会員情報や受注情報を基幹システムと連携し、ログイン制御やメイン商材と合わせた精算も可能です。

システム概要

「複数の備品業者」と「複数の加盟小売店」が取引を行うB2Bモールです。(図1参照)
以下、利用者毎に機能を記します。


B2Bプラットフォーム概念図

図1. B2Bプラットフォーム概念図

 

備品業者

備品業者は、商品マスタの登録やTOPページのオススメ商品を登録します。
商品の使い方やキャンペーン情報を記載したWEBページを作成することも可能です。
備品業者毎に登録できる商品カテゴリや編集できるTOPページエリアが別れております。

小売店から注文が入りましたら、備品業者にメールが飛び、配送を行います。
受注データをCSVダウンロードし、備品業者の基幹システムに取り込むことが可能です。
さらに、配送完了情報をCSVアップロードし、一括して注文情報を処理することが可能です。

また、売上集計画面があり、売上額の集計、売上推移、売れ筋商品の把握が可能です。

受注情報は、備品業者毎に管理しており、別業者の受注情報にアクセスすることはできません。

加盟小売店

基幹システムと同じアカウントで、ログインします。
ECサイトを利用する感覚で備品を購入できます。
マイページ機能により、注文の対応状況や注文履歴の確認、お気に入り商品の登録が可能です。

本部

一部の小売店は、購入できる備品の種類が限定されております。
(例:ラッピング講習を受けた小売店のみラッピング備品を購入できるなど)
本部は、小売店にランク付けができ、ランク毎に、表示する商品を変更します。

また、小売店がフランチャイズを退会した場合など、基幹システムで行ったアカウントの制御を即座に連携します。

その他:セキュリティ

基幹システムと同じネットワーク環境内にB2Bモールを構築し、アカウント情報を連携することで、基幹システムと同等のセキュリティを実現しました。

システム導入の成果

期待した成果

本部スタッフの業務負荷を大きく削減することができました。(約75%減)
弊社は、現行のFAX業務を廃止するため、マニュアルを作成し、本部スタッフと共に加盟小売店を集めたトレーニングを実施しました。

期待した以上の成果

備品購入の売上額が向上しました。
クリックでで簡単に注文できるようになり、また「この商品を買った人はこんな商品も買っています」といった関連商品の表示により、小売店が「ついで」に買う機会が増えたためと考えられます。

システム化のポイント

本部、備品業者、加盟小売店とそのランクといった複数種類の登場人物がおり、それぞれで利用できる機能やデータが異なります。
基本設計時に、全機能と全データを洗い出して、登場人物毎に整理したことがプロジェクト成功のポイントでした。